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2014.12.22

カクノ その3

こんにちは。スマイラです。
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今日の東京は、一日いいお天気でした。

さて、一昨日の続きです。

パイロットの子供用万年筆の「カクノ」が「2014年Bun2大賞」を受賞したこと、その一方で、ドイツではすでに高品質の「子供用万年筆」が幾種類か出されていることなどを書いてきました。

ここに来て、ペリカンやラミーのあとを追って、パイロットが子供向け万年筆の市場に殴り込み、という構図なのでしょう。

でも、パイロットはどうして他社に先駆けてこういった製品を出せなかったのでしょう?

こうして作ればいい製品を作れるわけだし、「フリクション」などでは新しい市場を作っているのですから、同社が決して製品や市場の開発力がないわけではないはずなのに。

今回はたまたま見かけた記事を題材にカクノを取り上げて書いているのですが、今の日本の、特に大企業ってみんなこんな風になっているような気がしてなりません。

たぶん、パイロットがさっさと本気を出せば、ペリカンやラミーより早く子供用万年筆を作って売ることなど容易にできたと思います。もしかしたら、そんなアイデアも会社の会議などでは出ていたのかもしれません。

けれども、私も経験がありますが、日本の企業というのは、新しい顧客や市場を作るという場面で、あまりにもリスクを過大に評価し、チャレンジの効用を過小に評価しているように思えてなりません。

会議では「失敗した場合に誰が責任を取るのか?」「そんなの売れるはずがない」「市場がない」「調査をしろ」というような後ろ向きの発言が飛び交います。

そして、私が最も由々しき事態と思っているのは、ことに今の日本では、そういう批評的、批判的、評論家的発言をする人ほど思慮深く、節度のある、有能な人、と評価されるような風潮を感じることです。

もっといえば、今の日本では「新しいアイデアを出す人よりも、それを上手に批評しコメントして見せる人」の方が高い評価をされる、ということなんでしょうが、そんな国や会社にイノベーションは起きませんよね。

そういう発想では、ドラッカー先生ではありませんが「顧客の創造」や「市場の創造」なんて、とてもできないと思いますし、それができなければ日本はこのまま沈んでいくのではないかと思っています。

こんなことを書くと嫌がられるような気もしますけど、まあ、年末大感謝祭だから書いちゃいますが(笑)、はっきりいって「アップル製品に当社の部品が採用された」とか「あの有名会社の製品に当社の技術が採用された」と言って喜んでいてはいけないと思う。

そんなに優秀な部品や技術があるのなら、何とかそれを使って自社製品や自社ブランドを作り、それをもって、新しい市場、新しい顧客を開拓することに力を注いでほしいと思います。

私自身、日本全体から見れば泡沫のような事務所ではありますが、自分の事務所についても常に「新しい顧客の創造」や「市場の創造」を意識していますし、そういう意欲のある方たちのお力になれるのであれば、いつでも積極的に協業していきたいと思っています。



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