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2014.04.16

公平な知財

こんにちは。スマイラです。

昨日もちょっと横になったら寝てしまい、ブログを書けませんでした。20キロ走の疲れかな(笑)?

さて、この本を読みました。

「もの」から「知財」の時代へ―頭脳が生む新しい価値を最大限に活用するノウハウ (東京理科大学・坊っちゃん選書)「もの」から「知財」の時代へ―頭脳が生む新しい価値を最大限に活用するノウハウ (東京理科大学・坊っちゃん選書)
(2008/10)
平塚 三好

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たまたま図書館で見つけて、面白そうだったので借りてみました。

法律的に、というよりも、知的財産ってときどき新聞なんかで見るけど何がどう大事なの?とか、知的財産をビジネスに生かしたいけどどこら辺から知識をつけたらいいかな、なんて考えてらっしゃる方には、薄くて読みやすくてとてもいい本だと思います。

ま、知的財産を法律的にどうこうなんて考えるのは、弁理士ぐらいしかいないでしょうけど(笑)。

私が弁理士として仕事をしていく上で「なかなか難しいなあ」と思うところは、商標はちょっと別として、特許、実用新案、意匠での権利化を目指そうとすると「新規性」という要件が求められることです。

新規性というのは、簡単に言えば「出願前に誰にも知られちゃあいけませんよ」ということです。知られてはいけないのですから、宣伝したり、売ったりしたら、原則としてはもうアウトです。

でも、弁理士や特許庁にお金を出す企業などにしてみれば「売れるかどうか分かってから権利化を考えたい」と思うのが自然でしょう。

しかし、我々の立場としては「それでは遅いんです」と言わなければなりません。

もちろん、誰かに知られたら絶対にダメというわけではなくて、一定の条件下で権利化を図れるのですが、できるものなら事前のリスクは避けるか低下させておきたいというのが、私たちの立場でなすべきことになります。

その観点からいくと、こういった権利を取るための調査や出願などは、企業等から見ればお金のかかる「先行投資」ということになり、そこだけとれば「大企業やお金持ちに有利」という風に考えられても仕方がないのかもしれません。

けれども、この仕事を何十年かしてきて、冷静に見てみると、この世の中にはお金持ちや大企業に有利なことがたくさんあって、知的財産権取得も資本主義の原理に則っている以上、広い意味ではそのうちのひとつには違いないけど、そうはいっても知財の世界はまだしもその格差は小さい方で、むしろ公平性が高いと言えるのではないか、と思うようになりました。

企業ごとの開発能力やマンパワーの違いは別として、大企業の持つ特許権の方が中小企業の持つ特許権よりも強いとか広いということはありませんし、特許庁での審査や訴訟で有利になるということもないはずです。もちろん、その逆も。

この本には、今は大企業であるGEやミキモトが、エジソンや御木本幸吉の発明に始まっていること、そして知的財産が企業を変え、人々の生活を変え、社会を変えていく事例がたくさん挙げられています。

つまり、今は大きく見える企業も、小さかった時代から、大企業と遜色なく戦える知的財産を活かして成長してきたということなのだと思います。

ご興味のある方はぜひ読んでみて下さい。



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