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2013.05.28

亡国論疑惑 その2

こんにちは。スマイラです。

昨日に続いてこの本について書きます。

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談パオロ・マッツァリーノの日本史漫談
(2011/09/26)
パオロ・マッツァリーノ

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この本の第十章では「亡国論」について書かれています。

これまでいろんな書籍で書かれてきた「亡国論」を調べ、年代ごとの数や、滅び記事を多く執筆している「悲観的執筆者ベスト6」を挙げています。

ちなみに、第1位は堺屋太一氏、第2位が同数で櫻井よしこ氏、中西輝政氏、渡部昇一氏の3名です。このあとに、石原慎太郎氏、和田秀樹氏と続いています。

「いかにも・・」という感じのツワモノぞろいですね(笑)。

この「亡国論」について、パオロさんはこんな風に書いています。

「個々の問題の正誤と、国が滅びるかどうかのあいだには、なんの関連もないんです。特定対象への批判が、一足飛びに亡国までいってしまう論理の飛躍がみえみえなんです。(中略)ありていにいえば、亡国論や滅び論は、私憤を大義にすり替えるための装置にすぎないのです。」(同書269頁)

で、このあとが面白かったのですが、明治時代にあるお坊さんが唱えた「ランプ亡国論」というのについて、詳細に書いています。

詳しくはぜひ同書を読んでほしいのですが、国が滅びるか否かということとは何の関係もないと思われる「ランプ(あの、灯りをとるランプですよ)」ですら、こじつけようによっては「亡国」にまで結びつけられるということですね(笑)。

このお坊さんは、ランプに限らず、洋傘、鉄道、牛乳、簿記など、西洋起源のものはすべて気に入らなかったらしく、晩年は輸入品排斥論の講演で日本全国を回っていたそうです。

そして、こんなふうなオチがついています。

「京都の講演会で、会場にいた問屋の手代から、本日和尚はここにどうやって来られたかとたずねられ、汽車で来たと答えると、なるほど西洋のものは便利ですなあとやりこめられてます。」

今でも、いろんなことを巡って「亡国」とか、それに近い話が出てきますが、そんな主張をしている人が、何を個人的に敵視していて、実際に本人がどんな行動をしているかは、じっくり見極めなければいけないって教訓でしょうね。

この話しの和尚さんみたいな人も多いんでしょうから・・(笑)。



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