2013.05.07
「下流の宴」と「サトリ世代」
こんにちは。スマイラです。
この本を読みました。
久しぶりに小説を読んだので、またまた途中で止められずに、一日で読み終えてしまいました(笑)。
林真理子さんの小説を読んだのは、これが初めてですが、この小説はNHKでドラマ化されており、そのときに、途切れ途切れではありますが見た記憶があります。
「下流」という言葉が象徴的ですが、この小説の主人公一族の、数十年がかりのものすごく大きな流れの中での転落物語みたいなものは、どちらかというと、一族の有為転変というよりは、時代が変わっていくことを象徴していると見たほうがいいのかもしれません。
ただひたすら「良い生活」を目指して生きる祖母、母親、長姉が、旧来型の価値観の代表だとすれば、「下流」の代表として描かれている主人公「翔」は、次世代の価値観を体現しているのかもしれません。
その証拠といえるかどうか分かりませんが、最近ではいわゆる「サトリ世代」と呼ばれる、競争や勝ち負けを嫌い、ほどほどに満足する子たちが増えているとも聞きます。
こういうのに対して、私も含めた旧世代は「生きていくのに競争は避けられない」とか「勝ち残れ、生き残れ」というようなことを言ってしまいますが、「サトリ世代」は言葉を変えれば「少欲知足」ともいえるわけで、お寺で聞いたら有難く思うような言葉も、いざ目の前にするとそう理想的とも思えないというのが、人間の面白いところですね(笑)。
小説を読む面白さのひとつは、自分にもあるのだろうけど、普段はほとんど意識しない陰の部分を、登場人物に体現させて読むことができるところにあるような気がします。
主人公の母親をはじめとして、祖母や姉の物言いなどは、ちょっとえげつないほどの階級思想で、読んでいて不快感を覚えることもあるのですが、小説だと思えば、その不快感をあえて楽しもう、と割り切れます(笑)。
その一方で、自分の中にもそういう要素があるからこそ、不快に感じたり、共鳴したりする部分があるのだろうなあ、とも思わせられるのです。
もうひとつ、この本を読んで感じたのは、作者の林真理子さんが女性なので、女性の描き方が結構辛辣だなあ・・ということです。
女性については、身も蓋もない描き方をしていますから、女性が読むと、私以上の不快感を感じるかもしれません。でも、それも小説の愉しさのうちだと思います(笑)。
ご相談はこちらからどうぞ!
お待ちしています!
多摩、府中のブランド・ネーミングなら
スマイラ特許事務所
この本を読みました。
![]() | 下流の宴 (2010/03/25) 林 真理子 商品詳細を見る |
久しぶりに小説を読んだので、またまた途中で止められずに、一日で読み終えてしまいました(笑)。
林真理子さんの小説を読んだのは、これが初めてですが、この小説はNHKでドラマ化されており、そのときに、途切れ途切れではありますが見た記憶があります。
「下流」という言葉が象徴的ですが、この小説の主人公一族の、数十年がかりのものすごく大きな流れの中での転落物語みたいなものは、どちらかというと、一族の有為転変というよりは、時代が変わっていくことを象徴していると見たほうがいいのかもしれません。
ただひたすら「良い生活」を目指して生きる祖母、母親、長姉が、旧来型の価値観の代表だとすれば、「下流」の代表として描かれている主人公「翔」は、次世代の価値観を体現しているのかもしれません。
その証拠といえるかどうか分かりませんが、最近ではいわゆる「サトリ世代」と呼ばれる、競争や勝ち負けを嫌い、ほどほどに満足する子たちが増えているとも聞きます。
こういうのに対して、私も含めた旧世代は「生きていくのに競争は避けられない」とか「勝ち残れ、生き残れ」というようなことを言ってしまいますが、「サトリ世代」は言葉を変えれば「少欲知足」ともいえるわけで、お寺で聞いたら有難く思うような言葉も、いざ目の前にするとそう理想的とも思えないというのが、人間の面白いところですね(笑)。
小説を読む面白さのひとつは、自分にもあるのだろうけど、普段はほとんど意識しない陰の部分を、登場人物に体現させて読むことができるところにあるような気がします。
主人公の母親をはじめとして、祖母や姉の物言いなどは、ちょっとえげつないほどの階級思想で、読んでいて不快感を覚えることもあるのですが、小説だと思えば、その不快感をあえて楽しもう、と割り切れます(笑)。
その一方で、自分の中にもそういう要素があるからこそ、不快に感じたり、共鳴したりする部分があるのだろうなあ、とも思わせられるのです。
もうひとつ、この本を読んで感じたのは、作者の林真理子さんが女性なので、女性の描き方が結構辛辣だなあ・・ということです。
女性については、身も蓋もない描き方をしていますから、女性が読むと、私以上の不快感を感じるかもしれません。でも、それも小説の愉しさのうちだと思います(笑)。
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