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2013.03.18

昔のことは美しく・・その3(完)

こんにちは。スマイラです。

昨日、一昨日に続いて、この本について書きます。今日が最後です。

幕末入門幕末入門
(2003/11)
中村 彰彦

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この本は6つの章からなっていますが、最後の第6章では「幕末史四つの謎に迫る」と題して、
「姉小路公知はだれに討たれたか」
「孝明天皇毒殺説を追って」
「坂本竜馬暗殺の黒幕はだれか」
「『討幕の密勅』は偽文書か」
の4つの謎について、著者の見解が書かれています。

個人的には、この章が大変興味深かったのですが、それを書くのは反則技のような気もします(笑)。

ぜひ読んでいただいて、こういう考え方もできるのか、と感じていただければ、と思います。

幕末・明治維新というと「官軍」と「賊軍」という言葉に代表されるように、旧幕府側が時代遅れの圧倒的な悪者、新政府側が圧倒的な英雄で新時代を切り開いた、という構図が、今の多くの人の心に描かれきってしまっているように思います。

けれども、私はこの本を読んで、これまで感じていた胡散臭さと相俟って、疑問に思う点が多くありました。

中でも(この本の中にも書かれていますが)私が子どもの頃にあった500円札の肖像画が岩倉具視であったのは、最大の疑問ですし、どういう意図があったんだろう、と勘ぐっています。

ご子孫の方々には大変申し訳ないとは思いつつも、幕末の主要登場人物の中で、岩倉具視ほど胡散臭い人物はいないように思われます。

この本の最後の方にこんな文章があります。

「明治維新は文明開化の世とも謳われ、『日本の夜明け』といわれることもあります。かつて東大の山内昌之教授は、私との対談のなかでこのような見方を『夜明け前史観』と名づけ、その一面性に強い疑問を投げかけたことがありました。
しかし、江戸時代は暗くて、明治はあかるかったといっていいのでしょうか。」

個々人の人生でもそういうことがままあるように、昔のことはとかく美化されやすいものです。

明治維新で作られた体制は、最終的に第二次世界大戦での敗戦で壊滅的な破綻を迎えるわけですが、そういう結末を見た後の現代であっても、「維新」という言葉に夢を託す人がたくさんいることが、それを象徴しているように思います。

しかし、近年になって「田沼意次」が見直されてきているように、これから研究が進むにつれて、幕末・維新の人物たちにも、単なるロマンだけではない、適正な評価がなされていくのではないかと思います。

幕末・維新の登場人物は個性派ぞろいですし、まだ歴史が適正に評価するには、過ぎた時間が短すぎるのでしょう。



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