2013.03.08
外国出願 その3(完)
こんにちは。スマイラです。
昨日、一昨日の続きです。
現状では、外国に出願をする場合には、昨日の記事の(ⅲ)で書いたマドプロ出願が、圧倒的にメリットが大きいと思います。
但し、マドプロは日本に商標出願か登録をしていることが条件になりますので、まずは日本出願をする必要があります。出願した場合は、日本の出願日から6ヶ月以内であればパリ条約の優先権主張も可能ですので、昨日の記事の(ⅱ)も兼ねられるような制度になっています。
マドプロのメリットを一言で言ってしまうと、出願時も、登録後も、手続が非常にやりやすい、ということがいえると思います。
以前、勤務していた会社で、すべての外国の商標登録と出願の、社名と住所の変更の手続をしたのですが、マドプロとそうでない登録とでは、その手続の煩雑さは、感覚的には100倍ぐらいあるような気がしました。
また、商標の場合、登録から10年後には「更新」という手続をするのですが、この煩雑さも100倍ぐらいの差があります。
各国に登録をした場合、社名・住所の変更や、更新は、原則としてその国ごとに手続をする必要があります。10ヶ国なら10ヶ国の現地代理人に連絡をして、書類を提出する必要があります。
それらの書類の煩雑さも、国によって大きく異なっています。
一方、マドプロなら、特許庁(本国官庁)かスイスの国際事務局に1回書類を送れば、それで10ヶ国なら10ヶ国分の社名・住所変更や更新が済んでしまいます。
これは、88ヶ国(2012年12月時点のマドプロ締約国数です)であっても同じことですから、その差がお分かりになるのではないかと思います。
登録自体も、ひとつの国際登録番号の下に管理されますから、権利者サイドでの管理も、代理人としての管理も容易です。
WIPO(世界知的所有権機関)のHPでステータス(登録の状況)を容易に確認することができます。
更にいえば、同じ商標を、新たに別の国でも権利を取りたい、となった場合でも、昨日の記事の(ⅰ)(ⅱ)では改めて出願をする必要がありますが、マドプロなら「事後指定」という手続で、国を新たに指定することで可能になります。
ですから、今回は事業展開や予算の関係でA国だけに出願するけれども、将来はB国、C国、D国での権利取得も考えている、というような場合には、マドプロがリーズナブルだと思います。
メリットばかりでは何ですから、マドプロのデメリットを書いておきます。
最大のデメリットは、上にも書きましたが、締約国がまだ88ヶ国しかないということですね。
アジアでは、香港、台湾、インドネシア、北米ではカナダ、中南米に至ってはほとんどの国が入っていません。
現実問題としても、私の経験上も、すべてマドプロで間に合ったということはほとんどなく、マドプロ4ヶ国+各国の出願3ヶ国のようなパターンが多かったです。
そうはいっても(この場合なら)4ヶ国分だけでも一括管理できるのは大きなメリットではありますが。
もうひとつの大きなデメリットは、マドプロには「セントラルアタック」という制度があることですが、これを説明するのはちょっと大変ですし、このブログで毎日外国出願のことばかり書いているわけにもいきませんので(笑)、これは次回機会があったときか、スマイラ特許事務所のHPにでも書くことにします。
ご相談はこちらからどうぞ!
お待ちしています!
多摩、府中のブランド・ネーミングなら
スマイラ特許事務所
昨日、一昨日の続きです。
現状では、外国に出願をする場合には、昨日の記事の(ⅲ)で書いたマドプロ出願が、圧倒的にメリットが大きいと思います。
但し、マドプロは日本に商標出願か登録をしていることが条件になりますので、まずは日本出願をする必要があります。出願した場合は、日本の出願日から6ヶ月以内であればパリ条約の優先権主張も可能ですので、昨日の記事の(ⅱ)も兼ねられるような制度になっています。
マドプロのメリットを一言で言ってしまうと、出願時も、登録後も、手続が非常にやりやすい、ということがいえると思います。
以前、勤務していた会社で、すべての外国の商標登録と出願の、社名と住所の変更の手続をしたのですが、マドプロとそうでない登録とでは、その手続の煩雑さは、感覚的には100倍ぐらいあるような気がしました。
また、商標の場合、登録から10年後には「更新」という手続をするのですが、この煩雑さも100倍ぐらいの差があります。
各国に登録をした場合、社名・住所の変更や、更新は、原則としてその国ごとに手続をする必要があります。10ヶ国なら10ヶ国の現地代理人に連絡をして、書類を提出する必要があります。
それらの書類の煩雑さも、国によって大きく異なっています。
一方、マドプロなら、特許庁(本国官庁)かスイスの国際事務局に1回書類を送れば、それで10ヶ国なら10ヶ国分の社名・住所変更や更新が済んでしまいます。
これは、88ヶ国(2012年12月時点のマドプロ締約国数です)であっても同じことですから、その差がお分かりになるのではないかと思います。
登録自体も、ひとつの国際登録番号の下に管理されますから、権利者サイドでの管理も、代理人としての管理も容易です。
WIPO(世界知的所有権機関)のHPでステータス(登録の状況)を容易に確認することができます。
更にいえば、同じ商標を、新たに別の国でも権利を取りたい、となった場合でも、昨日の記事の(ⅰ)(ⅱ)では改めて出願をする必要がありますが、マドプロなら「事後指定」という手続で、国を新たに指定することで可能になります。
ですから、今回は事業展開や予算の関係でA国だけに出願するけれども、将来はB国、C国、D国での権利取得も考えている、というような場合には、マドプロがリーズナブルだと思います。
メリットばかりでは何ですから、マドプロのデメリットを書いておきます。
最大のデメリットは、上にも書きましたが、締約国がまだ88ヶ国しかないということですね。
アジアでは、香港、台湾、インドネシア、北米ではカナダ、中南米に至ってはほとんどの国が入っていません。
現実問題としても、私の経験上も、すべてマドプロで間に合ったということはほとんどなく、マドプロ4ヶ国+各国の出願3ヶ国のようなパターンが多かったです。
そうはいっても(この場合なら)4ヶ国分だけでも一括管理できるのは大きなメリットではありますが。
もうひとつの大きなデメリットは、マドプロには「セントラルアタック」という制度があることですが、これを説明するのはちょっと大変ですし、このブログで毎日外国出願のことばかり書いているわけにもいきませんので(笑)、これは次回機会があったときか、スマイラ特許事務所のHPにでも書くことにします。
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